怪鳥インコのブログ

お勧めラノベ紹介

ルカ ー楽園の囚われ人たちー

はい、今回もコメディ以外から。
近未来家族もの…って言うのかな?『ルカー楽園の囚われ人たちー』を紹介します。
内容は、最後の人類である少女と幽霊達が一緒に生活していくというもの。何気ない日常の中に終わりや悲しみが垣間見える系、というやつですね(そんなジャンル名はない)。

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似たような映画とか探せばいくらでも見つかりそうですが、この作品は「全体的に普通な代わりに、ここはずば抜けて良い!」というシーンが各所に散りばめられています。
この作品はデビュー作らしいので、だからこそこなれた作家には少ないアンバランスな魅力があるのでしょうか。言うとネタバレになるので、めちゃくちゃ曖昧な表現になってしまいましたが…まぁ面白いですよ、と(使えねぇ)。

一つだけ例を挙げると、この作品の視点者は女の子でも幽霊でもなく、シェルターを管理するコンピューターだったりします。そのコンピューターが中盤まで全く話に関わってこないなどこなれた作家ならやらなそうなことを沢山してきますが、それ故に生まれる魅力も多いわけです。この前『86』の紹介で言った、距離感を楽しむ、などですね。
そういえばこれも電撃大賞作だったような?審査員がこういうの好きなのかもですねw

まとめると、均整がとれてない分、部分的なところの破壊力が高いラノベ。感動できるのが分かっても普通の作品にはなかなか入れづらいシーン、なども多い気がします。
中学生か高校生の頃に読みましたが、荒筋知った上で読んだら最初の4ページくらいで涙目になった記憶があります。まぁ私は特に涙もろいほうですが…。
この前アニメ化した『終末何してますか?救ってもらって良いですか?』は一巻しか読めていないのですが、個人的にはあれの一巻よりも好きでした(あれは二巻以降がキモなのでしょうが)。似た傾向も多い話なので、あの作品が好きな人にもお勧めです。

六花の勇者 一巻~六巻

コメディばっか紹介してたので、今回はアクションものを紹介。
いや、正直コメディは量を読めてない方だと思うんですけど、コメディ以外でお勧めのものとなると誰でも知ってるようなのばかりになるんですよね…。みんな知ってるラノベを紹介してもなぁと思ってたのでこんなことになってますが、まぁこれからはメジャーなやつもちょくちょく紹介していければと思います。

で、『六花の勇者』の紹介。
荒筋は、運命の神に選ばれた六人の勇者が、魔神を倒す冒険に出るっていう王道なもの…なのですが。
実はこの話のメインは、六人しかいないはずの勇者が七人も選ばれた!誰が偽物だ!ってところにあります。

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『十一人いる!』かよ、と言われればまぁその通りなのですが。魔物たちとの戦いという王道な荒筋と、誰が敵かと疑心暗鬼になった勇者達の邪道な行動が組み合わさって、スリル溢れる冒険譚となっています。
しかも一巻では主人公のアドレッドが真っ先に疑われるので、それをどう回避して周りを説得していくのかという流れが滅茶苦茶熱いです!

このラノベはよく「ファンタジー×ミステリー」と表現されるのですが、私はどちらかというと「ファンタジー×人狼ゲーム」という印象を強く受けました。
ミステリー要素もあって推理とかするのも楽しめるでしょうが、それ以上に、勇者たちがそれぞれの視点から最善解を考えだし、疑い疑われを繰り返しつつも敵を追い詰める様が魅力の話だと感じています。

面倒くさそうな話だなぁと思う人もいるかもですが、安心してください。基本的には冒険もののラノベなので、魔法も出れば武器も出ます。特に自由に刃を生み出して操作できる〈刃〉の聖者とか、勇者じゃないですが触れたものを塩にする〈塩〉の聖者とか、めっちゃ格好良いです。
敵の幹部の一人、テグネウも言動格好良いわ能力格好良いわしっこりした知略も使ってくるわで、かなり素晴らしい敵キャラです。
とにかく、無双とかじゃない熱い冒険ものが読みたい人や、少しだけ変わった冒険ものが読みたい人にお勧めです!

異能バトルは日常系の中で 一巻~十二巻

大変長らくお待たせいたしましたー(待ってない)。夏休みで時間感覚が狂っていたので投稿間隔のバランスが極端になってしまいましたが、これからは週一ペースで投稿できればと思います。
なんとなくマイナーなラノベから紹介した方がお得だという気がしていたのですが、今回はアニメ化もされたラノベを紹介します。
堅実だけど地味じゃない日常系、『異能バトルは日常系の中で』です。

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荒筋としては、主人公とヒロイン達が異能(超能力)を手に入れはしたものの、敵が現れたりするわけでもないので普通に遊ぼう、というもの。毎度のことながらコメディです。
荒筋以外にも、主人公が異能大好きな中二病なのに手に入れた異能が生暖かい黒焔を出すだけだったり、ヒロイン達が個性豊かだったりと笑いどころは多いです。

この作品は荒筋的に、本当にどこまでも異能を有効活用しません。そのため二つ名のネーミングセンス講座とか異能を用いたビーチバレーとか、基本的には下らないことばっかりやります。異能をちゃんと使ってほしいなぁという人にはお勧めできませんが、そうでなければ主人公の中二病節も異能の無駄遣いっぷりも面白く、お勧めです。

そして、本作の魅力はそれだけに留まりません。
ハーレムはできないのでヒロイン達の消化しきれない恋心があったり、ヒロイン達それぞれの悩みがちゃんと書かれていたり、主人公達が遊んでる裏では本物の異能バトルが行われていてそれがたまに日常に影響してきたりと、タイトル通り日常系の枠を飛び越えて色々やるのです。
しかもシリアスパートでも暗くなりすぎず、ちゃんと笑えます。ここが凄い。

魅力を列挙すれば主人公が良い具合に馬鹿で面白いとか一、二巻の桐生さんが一番輝いてたとかヒロイン可愛いとか、色々ありすぎてキリがありません。総括するならば、色々な要素が詰まってマンネリにならない日常系。
一巻では普通に面白い日常系くらいに思われるかもしれませんが、二巻もずっとノリを維持しているのを見れば、クセになる人はクセになると思います。気になった人は、是非二巻以降もお読みください。

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↑お姉さんキャラが苦手な俺でも、キャラ的に好きになったお姉さんがこちら。

骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!

『骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!』を紹介します。素晴らしいタイトルですよね。
内容を知らずにどんな話なのかワクワクしながら読みたいぜって人は、これ以降は読まずに書店へゴーしましょう。

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荒筋はタイトルほど斬新と言うことはなく、ゲスな主人公が異世界に行くという類のものです。
しかしこの主人公は現実世界でも「知的なジャイアン」ポジションなので(少し語弊はありますが)、現実ではうまくいかない奴が異世界で調子のる構図が鬱陶しくなってきた人にもお勧めできます。

主人公は成り行きで魔王との和平交渉を目指すこととなり、ゲスな行為の数々を働いてその準備を進めます。とはいえ主人公が元々ジャイアン気質なのであまり陰湿さがなく、ものすごい勢いで我が道を行く主人公がとても小気味よいです。

最近のラノベでは珍しくヒロインなどの視点から描かれ、ゲス主人公である鈴木の快進撃を横から眺めます。
主人公に関わったキャラ達は落ちぶれたり暴走したりして、どんどんキャラ全体が勢いづいていきます。メインヒロインなどはかなり酷い目にあいますが、それでも登場時より生き生きして面白いです。

主人公がそれなりに知的なのもポイントで、ぼっちがやると胡散臭いことも、この主人公がやると「こいつならやりそう」「こういうやついるよな」に変わります。
本当に無力な主人公が口と勢いだけで突き進んでいく様は痛快です。
けっこう笑えるので、是非是非お読みください!冷静にならないように、一気に読むのがお勧めです。

86(エイティシックス) 一巻

新作ラノベ総選挙第三位、『86』の紹介です!ちなみに電撃大賞の大賞作でもあります。

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内容は、滅びた後に無人兵器だけが暴走している帝国に対し、共和国が有人兵器で立ち向かうというもの。これだけ聞くと熱いSFバトルものだという感じがしますが、重要なのはその有人兵器の乗組員が、共和国の中で排斥された人種(エイティシックス)だということです。
人権がないのでどれだけ戦っても感謝もされず、どころかエイティシックス以外の人種は戦いすらしません。安全な壁の中で、「その日人類は思い出した」ごっこをやってるだけです。

そんな中、エイティシックスではない主人公の少女レーナは、一人だけ時代に逆らって差別を憎み、指揮官としてエイティシックス達と向き合います。
レーナは指揮官なのでエイティシックス達とは声だけの交流ですが、その距離感がどうなっていくのかというのが本作の見所。近くにいるようで遠い、もどかしさや哀愁が戦闘の日々に光ります。

これだけ聞くとオルフェ○ズじゃねぇかって感じもしますが、エイティシックスの扱いがどう酷いのかが明確かつ合理的で、その割にしつこく悲壮感を出してくることもなく、すっきり読めます。デフォルメされまくってるのにそれを感じさせないのも凄い。
戦闘兵器もいくつか種類はありますが虫のようなフォルムのものが多く、リアルで格好良いです。
SF好き・ロボ好き・泣けそうなラノベが読みたい人・しっかりしたラノベが読みたい人、など、多くの人に勧められる作品です。

弱キャラ友崎くん Lv1~4

おもしれぇおもしれぇ言ってたこの作品が上位に入ってて、喜びを隠せない怪鳥インコです。
新作ラノベ総選挙二位、『弱キャラ友崎くん』を紹介します。

荒筋は、ゲーム最強だけどスーパー非リア充な主人公が、リア充ヒロインにリアルが上手くいく教えを乞うというもの。
何度か聞いたことあるような内容ですが、こちらはラブコメ以上に主人公が非リア充を卒業していく流れの方がメイン。主人公はヒロインの出した課題をコツコツとこなしていきます。

では、本作の魅力はリア充になるための方法が書かれていることなのでしょうか?いいえ、そういう要素もあるにはありますが、そこはメインでは有りません。
私の思う本作最大の魅力、それは、出てくるリア充がガチのリア充だということです!

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↑こいつが戦犯だ!

最近、オタクが何を血迷ったのか、リア充とのラブコメを望むようになってきているように思います。ラノベにもその傾向は表れており、最近の有名どころでいえば、ゲーマーズなどがリア充とワイワイやる話ですね。
ゲーマーズなどに出てくるリア充はオタクにとっての理想のリア充像で、リア充でありながら良い具合にオタクだったりします。ゲーマーズは特に、そのバランス感覚が優れていると感じます。

しかし!弱キャラ友崎くんに出てくるリア充は、読者に容赦なくどこまでもリア充なのです!
時々ラノベらしくオタクにしか突けない弱点をさらしたりしますが、弱点なんて関係ないかのようにどこまでも無敵!
主人公が努力の末にリア充グループに紛れ込んでも、それは蟻が羽蟻になったのを鳥が微笑ましく見つめる図に過ぎないのです!
埋まらない距離感!非情なる人種の違い!自分の実力が見えていない主人公!特に三巻以降のリア充描写が秀逸すぎて、私などは口から吐瀉物と血を吐き出しながら読むことになりました。体の震えが止まりません(物理)。

リア充との合宿シーンなどは、私にとって異世界よりも遥かに新鮮で、こんな世界があったのかと驚愕に目を見開きました。リア充の寒気がするような非人道的な言動の数々(うぇーい)と、それに追い縋る主人公。熱い。
人生をゲームにたとえて攻略法を示す下りは分かりやすい上に面白く、四巻になっても合計で三分くらいしかデレてないメインヒロインもまた可愛いです。これから主人公がどうなっていくのか、楽しみで仕方がありません。
メインテーマは「人生と悲哀」(嘘)。本物の異世界が見たい方は、是非この作品をお取りください。

インフィニット・デンドログラム 一~四巻

ここから連続で、新作ラノベ総選挙の一位から三位まで紹介します!
最初に紹介するのは一位の『インフィニット・デンドログラム』です。

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内容を端的に説明すると、「VRゲームもの」の一言に尽きます。
ゲームをするだけなのでシリアスパートは少ないし、デスゲームじゃないので主人公に死の危険さえありません。
そのため合わない人には徹底的に合いませんが、VRゲームものがそもそも好きだったり、ゲームのプレイ日記読むの好きだよって人には結構おすすめできる作品です。

インフィニット・デンドログラムというのは本作の取り扱うゲームの名前で、その特徴は一人一つずつ特別なアイテムを手にしているということ。
それは武器だったり乗り物だったりモンスターだったりするのですが、キャラそれぞれが全く予想できない特徴を持っているので、実質的には異能バトルもののような新キャラへの期待感をもたらします。

そしてそれ以外にもマルチジョブシステムとか強敵撃破特典とかスキルシナジーとか、RPG好きにはたまらない要素が盛りだくさん。
つまり、ゲームものの地道さと、異能バトルものの派手さが組合わさっているのが、この作品の魅力なのです。

一言で言い表すならば、目新しいところはないけども、死角もないVRゲームもの。
VRゲームもの読みたいけど文章とか適当なの多くて読む気おきない、逆に、SAOやオーバーロードのゲームシステム好きだけど余計なところ多い、などと考えてる方にお勧めの一冊です。
強敵の二つ名だけ見て能力明かされる時を期待できる人や、新装備の効果説明だけで楽しめる人には特にお勧めです!