いでおろーぐ 一~六巻
*言い忘れていましたが、タイトルの~巻というのは私がこれまで見た刊数であり、現在刊行数や最終刊行数とは関係有りません。
二連続RPG系だったので、今回は毛色の違うラノベを紹介します。
その名も『いでおろーぐ!』。タイトルからそこはかとないめんどくささを感じますが、れっきとしたコメディラノベです。
端的に言えば、リア充を憎む仲間達と共に、学生運動を通して恋愛を根絶しようと頑張るお話。端的に言われてもよく分かんねぇというナンセンスさが、この作品の持ち味です。
学生運動というのは単なる学生の活動という意味ではなく、安保闘争とかあっちの方の学生運動。
流石に火炎瓶を使ったりはしませんが、メインキャラ達は現代にそぐわない学生運動の熱を心に抱きつつ、反恋愛活動に青春を注ぎ込みます。頭よさげなことを言ってるのにやってることは馬鹿らしい、このくだらなさがたまりません!
しかし、面白そうじゃないかと思った方の中にも、「でもラノベに熱血は求めてないんだよね…」と感じてしまう方はいるでしょう(非情)。
安心してください、先ほど言ったリア充を憎む仲間達、その殆どは女の子です!ロリも出るよ(決め台詞)!
反恋愛活動とか言っておきながら、これはれっきとした現代風ラブコメ。どうやってその二つを両立させるんだと気になった方も、知的な非リア充のイタい言動を楽しみたい方も、是非是非この作品を手に取ってみてください!
勇者が修羅場すぎて世界を救ってる場合じゃない 一巻・二巻
お気づきでしょうが私、タイトルがとても長い、ラノベラノベしたラノベが大好きです。そんなわけで『勇者が修羅場すぎて世界を救ってる場合じゃない』の紹介。
荒筋としては、ヒロイン全員と付き合ってる状態でクソゲーの中を冒険をするんだけど、浮気がばれたらヒロインに仕掛けられた爆弾が爆発して地球が滅亡するという話。言うまでもなく、ギャグラノベです。
地球を守るためには彼女達に嫌われなきゃいけない。だけど嫌われようと奇怪な行動をする度に、ヒロインがそれを上回る奇怪な行動をしてくる!そんな負の連鎖・ギャグの連鎖が魅力です。
隠れて浮気すること自体、ラノベではなかなかないシチュエーションなので(ハーレムは堂々とするものなのです)、これまた目新しさが欲しい人にはお勧め!ロリも出るよ!
整合性とか無視して好き勝手やってくれるのですが、最終的には話に収拾がつくのも凄いところ。バカなことしか言ってないのに作者がやけに冷静なところを楽しんでください。
俺の部屋ごと異世界へ 一巻
『異世界はスマートフォンとともに』を読むなり見るなりして、スマホの影の薄さに期待を裏切られたあなたに朗報!
世の中には、ちゃんとネットを有効利用するラノベもあります。
そのひとつが『俺の部屋ごと異世界へ ~ネットとamozonの力で無双する~』です。
ちょっと何言ってるか分からないというあなたは、世界に愛されています。そのまま真っ当な人生を歩みましょう。
この作品の特徴は、タイトルの通り異世界をネットショッピングの商品で乗り切るところです。モンスター相手に火炎瓶や防弾チョッキで応戦し、どんどんファンタジー感を駆逐していきます。
amozonというのはあのネットショッピングサイトの名前をもじったものですが、この作品に出てくる商品はちゃんとそこに売っています。なので、グッズ化を待つまでもなく作中のアイテムが買えて、ファンぶれるのも大きなポイント。
また、2ch掲示板での交流も描かれており、作品を第三者視点から茶化すようなコメントと共に見れる工夫は、ラノベという媒体に非常にマッチしています。
しかし一番の魅力は、ファンタジー感を駆逐しても溢れ出るこのすば感でしょう。最近流行りのちゃんと戦ってるのにゆったり読める作風はノンストレスで、順調に我々の心を腐らせていきます。
このすばが好きだけど目新しさも欲しくなってきた、という人にはぴったりです。
いせスマとの一番大きな違いとしては、異世界でネットを使える理由が、主人公が「家電やネットがないなら異世界に行きたくねぇ」とごねたからだというところが挙げられるでしょう。
異世界スマホの魅力が主人公の病的な思考回路であるのに対し、こちらは共感性があります。あるはず。
そのため、いせスマ研究職の方々にも比較要員としてお勧めができるでしょう。
笑いあり成長あり熱さあり、だけど読者の感情がどうしてもまともな動きをしない。現代のラノベとしてかなりレベルが高いです。
この作品があなたの快適な読書の一助になることを願います。