怪鳥インコのブログ

お勧めラノベ紹介

異世界取材記 ~ライトノベルができるまで~ 一巻

異世界ブームの終わりも近いのか、むしろこれからが本番ということなのか。最近、異世界テンプレを馬鹿にして楽しむ系のラノベが増えていますね。
ぱっと思い付くだけでも、『もう異世界に来ないでください』『序文「息子へ。」』『お前らほんと異世界好きだよな』(これはちょっと、無理矢理入れた感)などが有ります。
今回紹介する作品もギリギリこのジャンルに入るのですが、そのやり方が新しかったので紹介します。『異世界取材記』です!

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荒筋は、中年ラノベ作家が異世界に取材に行くというお話。しかもこれは特殊なことではなく、異世界ものを書いてるラノベ作家は皆、異世界に取材に行って当然だという世界観です。あー、だから異世界ものには似たような話が多いのかー。
荒筋を見れば分かる通り、この作品は基本がナンセンスギャグです。例えばKADOKAWAが異世界への転移方法を確立していたり、取材は危険なので銃の扱いなどがラノベ作家の必須技能であったり。なかなかにぶっ飛んだ世界観で、小ネタが多くて楽しめます。
人が存在できない異世界の話とか、いきなりSFぶっこんできたのも笑うw

この作品にもう一つ魅力があるとすれば、主人公達がなにかと言ってはラノベ作家の情熱を語ろうとするところでしょう。
何度も忘れそうになりますが、これはあくまでラノベ作家のお話。色々なネタと触れ合うことでヒートアップしていくラノベ作家の生態みたいなものも描かれており、ラノベ好きには熱いです。…けど、そこに関しては『ラノベのプロ!』の方が詳しく書かれているので、そういうのが見たい人はこちらから(突然の裏切り)。

※最後に一つだけ注意をすると、いくつか好みの分かれるポイントがあるので、先入観を抱かずに買わないと「思ってたのと違うな現象」が起こりやすそうな作品ではあります。
例えば地の文が淡々としていて安定感が有りますが、その分、このすばのようなノリの良さを求めている方には微妙でしょう。勇者とかもコメディ作品の割には真人間でした。
また、ラノベ作家要素も基本的にはナンセンスギャグ要員ですので、先ほど言った通り業界ものを求めていると「これじゃない」とはなりそうです。
そういう要素を増やしても良かったと思う反面、ナンセンスギャグで業界ネタ出されたらどこまで本当か分からな過ぎるので、これで良かったのでしょうw
というわけで、余計な期待さえしなければお勧めできる作品です。よろしければどうぞ!(注意書きを最後に持ってきたの、どう考えても構成ミス)